火災保険の長期契約は最長10年まで?|長期契約のメリット・デメリット

ご自宅の火災保険は、何年契約でしょうか?保険期間1年の契約でしょうか?5年の契約でしょうか?

火災保険の保険期間は最長10年までの契約が可能です。火災保険を長期で契約しようと考えている方もいらっしゃるでしょう。

火災保険を長期で契約した場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。デメリットはないのでしょうか?

火災保険を長期契約にするメリット・デメリットについて解説します。

1.最長36年の火災保険契約は2015年に廃止|保険期間は最長10年に

現在の火災保険は、保険期間10年の契約が最長ですが、以前は、住宅ローンの期間に合わせて最長36年の契約が可能でした。

しかし、2015年に最長36年の契約は廃止になりました。

2015年に保険期間10年超の火災保険契約が廃止された理由は、2014年7月に損害保険料率算出機構が火災保険の参考純率の適用期間を10年までとする改定を行ったからです。

昨今の温暖化などによる異常気象の影響で、長期のリスクを判断することが難しくなりました。そこで、参考純率の適用期間を10年までとする改定が実施されました。

 

 

2.火災保険を長期契約にするメリットとは?

火災保険を長期契約にすると、何かメリットがあるのでしょうか?火災保険を長期契約にするメリットは下記の通りです。

 

火災保険料が安くなる|長期係数とは?

火災保険は保険期間を長くすると、保険料に割引が適用されて安くなります。

火災保険を長期契約にする場合、長期係数と呼ばれる割引が適用され、保険期間1年で契約するよりも保険料が安くなります。

例えば、保険期間10年の長期係数が8.5の場合、保険期間1年で1万円の保険料である火災保険を保険期間10年で契約すると、85,000円となります。

8.5年分の保険料で、10年間の火災保険契約が可能となり、保険期間1年の契約を10年間継続するよりも保険料が割安になります。

 

更新の手間がなくなる

火災保険を保険期間1年で契約すると、1年ごとに満期更新の手続きが必要となります。

保険期間10年で火災保険を契約すると、満期更新の手続きが10年間不要となり、継続手続きの手間が省けます。

 

火災保険料の値上げを回避できる

近年の異常気象の影響で大雨や大型台風による災害が多発し、火災保険の保険金支払いが増え、火災保険料は値上げの傾向です。

火災保険料が値上げされる前に火災保険を長期で契約すると、値上げ前の料率で火災保険に加入できます。よって、次回更新時まで火災保険料の値上げを回避できます。

 

長期契約を保険期間の途中で解約するとペナルティーがある?

長期契約を保険期間の途中で解約した場合、何かペナルティがあるのでしょうか?払い込んだ保険料は戻ってくるのでしょうか?

長期契約を途中で解約することになっても、ほぼペナルティーはありません。払い込んだ長期の保険料に対して未経過料率分(長期一括払保険料×未経過料率)が戻ってきます。

ある保険会社の未経過料率は下表の通りです。

経過年数 未経過料率
1年 89%
2年 79%
3年 70%
4年 60%
5年 50%
6年 40%
7年 30%
8年 20%
9年 10%

例えば、保険期間10年の火災保険契約(保険料10万円)を5年経過時に解約した場合、5年経過時の未経過分保険料5万円(10万円×50%)が戻ってきます。

3.火災保険を長期契約にするデメリットとは?

火災保険を長期契約するデメリットはないのでしょうか?

 

保険料支払の負担が大きくなる

火災保険を長期契約にすると、一度に支払う保険料の負担が大きくなります。

例えば、保険期間1年間で保険料1万円の火災保険を10年契約にすると、火災保険加入の際に85,000円の保険料を支払う必要があります。

保険期間を長くすると、保険料の支払総額は安くなりますが、保険料支払い時の負担は重くなります。

ただし、保険期間5年までの契約であれば、保険料を年払いにできる保険会社もあります。保険期間5年の火災保険料を1年ごとに5回に分けて支払うことが可能です。

 

火災保険の補償内容見直しの機会が減る

火災保険を長期契約にすると、契約継続手続きの手間は省けますが、補償内容見直しの機会が減ってしまいます。

1年契約の火災保険であれば、1年に1回、火災保険の補償内容を確認し、見直す機会が発生しますが、長期契約であれば、長期間見直しの機会がありません。

 

 

まとめ

火災保険は、保険料の割引もあるので、長期契約がおすすめです。

長期契約の火災保険料を一括で支払う負担が重いようであれば、保険期間を5年までにして、保険料の支払方法を長期年払いにしてもいいでしょう。

また、火災保険料は昨今の災害多発の状況により、値上げされる傾向にあります。

値上げ前に火災保険を長期契約にすれば、契約時の保険料率で長期契約が可能となるので、火災保険料の値上げを回避するこも可能です。